子どもの発達について
我が家の長男は育てにくい子で、
よく泣き、よく動き、笑顔の少ない赤ちゃんでした。
もっとも新米母の私は、何を疑うこともなく、
育児は大変だと、周りと比較することもなく、
ある意味子どもの個性をすっかり受け入れて育てていました。
でも言葉の発達が遅いことにはさすがに気付き、
1歳半検診でしっかり指摘されることになり、
道なりに過ごしていくなかで必然と、
周りと比較をせざるを得ない環境になっていきました。
こどもの家との出会い
決定的な診断はないままに、2歳の頃から療育を受け始め、
同時にモンテッソーリ教育を調べました。
モンテッソーリ教育のメソッドは、定型発達の子にはもちろん、
発達障害の子にとって、とても良い学びがあるということで、
藁をもつかむ思いで子どもの家への入園を決めました。
子どもの家で過ごした4年間は一喜一憂の繰り返しでしたが、
1歳のころには想像もできなかったような成長を遂げ、
今では随分と周りと足並みが揃ってきたように思います。
何の要素が功に転じたのかは測ることができないものの、
一つ一つ丁寧に関わってくださった先生方との保育園生活と、
さまざまなアドバイスを受けて、
関わり方を工夫してきた家族の努力無くしては、
今の長男の、落ち着いた人となりは無かっただろうと思います。
特別支援学級の良さ
昨年、小学校に上がる前に何度か校長先生と相談をし、
特別支援学級にするのか、普通学級にするのか、
それはそれは随分と悩みました。
まず最初の驚きは、特別支援学級を選ぶこと、
診断を受けることというのは、
親の判断に委ねられているということでした。
しかし、はっきりした数値で表せない、
子どもが自分の意見を言える年齢ではないことを考えると、
そうなるのかもしれませんね。
特別支援学級の良さは、
通常学級が30名前後に1人の先生なのに対して、
6名〜8名に1人以上の先生が関わってくれ、
個性に合わせたカリキュラム、個性に合わせた情報の伝え方、
メンタルに合わせて環境を整えてくれたり、ケアしてくれたりと、
親子ともに安心感のある場だと思います。
困りごとのある子どもに合わせるといっても、
縦にも横にも斜めにもグラデーションになったような、
それこそ人間の数だけ困りごとのタイプがあるので、
実際の現場は理想通りにはいかない、
非常に難しい現実があると先生もおっしゃっていました。
それでも、普通学級に比べたら、
ひとりの子どもに対して向き合える時間は長くなるので、
子どもを思う親としては、
できるだけ個性を重んじてくれる特別支援学級がいいと考えることは、
至って普通な感覚だと思います。
ただ、この特別支援学級に入るには、
障害者であるという「診断書」が必要となってきます。
この基準をどう捉えるか。
これはそれぞれの家庭の価値観といいますか、
夫婦でも意見が別れる場合すらある、とても難しい判断。
言葉で表すのも難しい問題だと思っています。
どの考えも ”子どものために” なんですけど、
数値で測れない、今後の予測が不可能な ”今の状態”を、
”とりあえず”で決めてしまうことができない気持ちでした。
医学的な意見も踏まえようと、有名な先生2人に診ていただきましたが、
なんと「普通学級で十分いける」という先生と、
「支援学級でないと無理」という先生の2つの診立てに分かれたのです。
それでも普通学級を選んだ理由
2人のお医者さんも正反対の診立てでしたが、
校長先生も前任の先生と後任の先生とでは反対の助言をいただきました。
要は正解のない世界なんだなーと痛感し、
途中で軌道修正が必要だなとゆう考えに至りました。
困りごとが増えてきたら、
その時に増えているであろう判断材料を踏まえて舵をきることにして、
一旦は普通学級で過ごしてみることになりました。
途中で特別支援学級に入ることが至難の業だというブレーキがかかりましたが、これって変ですけどね。。
ここは今後改善して欲しいな。
教育委員会や学校の業務がわからないのですが、
学年の途中でも、その子に無理があるのであればすぐに考えて欲しい。。
また普通学級で無理がきてからでは遅いという意見も、迷いの大半を占めました。
例えば、いじめや不登校になってからでは立て直しは難しいという、
いわゆる2次障害ですね。
これも正解ってないと思います。
特別支援学級にいたらいじめはないのか?
友達とのトラブル自体全て排除した方がいいのか?長い人生ずっと??
私はこの友達とのトラブルの体験は、
絶対どこかで乗り越えないといけないものだと思っているので、
その時の子どもの様子をよく観察して、
少し頑張れば乗り越えれそうだなという状態だったら、
見守ってみるということも大切だと思います。
普通学級で過ごした一学期
今のところ、先生の話もちゃんと聞いて、
ときには発表もして、普通に授業を受けれている様子。
保育園で一緒だった友達がゼロという環境でしたが、
一緒に下校したり公園で遊ぶ友達もできてきて、
担任の先生からも、特別な問題はなく過ごせているという言葉をいただきました。
どんな子もそうだと思いますが、
どこかのタイミングでまた問題が起きることは絶対あると思うんですけど、
まずは家族が味方となって関わりを深く持ち続けていれば、
大半のことは乗り越えられるんじゃないかと思います。
このままずっと平穏ではないだろうけど、
まずは学校生活にすんなり馴染んでくれたことと、
一緒に遊んでくれる友達がいることに大感謝した一学期でした。
まだまだ一年生の一学期です。
なので、「これで良かった!」なんて言えるまでには至りませんが、
普通学級と特別支援学級との迷いは、やっぱり正解のない世界。
親が絶対に守る!という気持ちで、子どもを信じていきたいと思います。
最後に療育への想い
もしも今、療育に行こうか悩んでいるようなことがあれば、
これは百利あっても害なしです。
自然な幼児教育のようなことの繰り返しで、
子どもにとってたくさんの学びがありますし、
息子の場合は確実に特性が社会に馴染んでいきました。
個性を育てたい気持ちはそのままに、
本人と家族の ”やりにくさ” という壁が、
少しずつ薄まっていきました。
また親にとっても、療育の場から受けるサポートは大きいものです。
療育といっても自治体によって様々な支援センターがあることも事実で、
私も一つに絞るのに数件見学にいきました。
なんとなく、支援員の方との相性があるのも事実なので、最初の見学は重要ですが、
基本的に親子ともにサポートしたいという想いで、
指導してくださることが多いと感じます。
普通に発達していたって心配が続く子育て。
発達の度合いに限らず、検診で指摘された後の親の心境というのは計り知れないです。
周りに共感できる人がいるかどうかでも随分救われるので、
もし迷われている状況であればぜひ一歩踏み出して欲しいなと思います。